離婚時に共有名義の家はどうする?名義変更の方法や費用を解説

離婚する際、「共有名義の家や住宅ローンはどうやって分けるのか」気になる方も多いのではないでしょうか?

そもそも家を分けるのは物理的に難しい気がするけど…

家や住宅ローンの名義は、離婚したからといって自動的に変更されるものではありません。

そのため、名義変更の方法や費用、税金面についてしっかり把握しておく必要があります。

そこで今回は、離婚に伴う、家や住宅ローンの共有関係を解消する方法や注意点など解説します。

離婚時の共有名義の家の取り扱い方法と税金

離婚時の共有名義の家の取り扱い方法と税金

離婚時の家の取り扱いは、夫婦間で財産分与の協議を行い、その協議に基づいて家の名義変更をして共有関係を解消します。

離婚に伴う財産分与の協議書には、夫婦間で夫婦の共有財産をどのように清算するか協議してその結果を記します。

夫婦で共有していた家を一方の名義に変更する際には次の4つの税金が関係してきます!

登録免許税

登記名義を変更する際に必ずかかる税金なので、離婚時の財産分与で家の名義変更をする際にも必ず課税されます。

贈与税

財産分与で家を共有名義からどちらかの名義に変更しても、基本的に贈与税はかかりません。

ただし、以下のケースでは贈与税が発生する可能性があります!
  • 分与された財産の額が、婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の価額やその他すべての事情を考慮しても、なお多すぎる場合
  • 離婚が、贈与税や相続税を不当に免れるために行われたと認められる場合

譲渡所得税

「財産分与のときの不動産の時価」が「不動産取得時の時価」よりも値上がりしている場合、その差額に対して財産分与をした方に譲渡所得税が課税されます。

分かりやすく言うと、購入時よりも高く売れるような状況だと課税されます!

しかし、譲渡所得に関しては、以下のような特例があり、実際には税金がかからない場合がほとんどです。

譲渡所得に関する特例
  • 譲渡所得が発生しなければ課税されない
  • 居住用不動産に関しては、3000万円の特別控除がある

不動産取得税

原則的にこちらの税金もかかりませんが、贈与税と同じく下記の条件に該当すると、課税される可能性があります。

  • 分与された財産の額が、婚姻中の夫婦の協力によって得た財産の価額やその他すべての事情を考慮しても、なお多すぎる場合
  • 離婚が、贈与税や相続税を不当に免れるために行われたと認められる場合

離婚時の家の名義変更は「いつ」「どこで」行うのか?

離婚時の家の名義変更は「いつ」「どこで」行うのか

共有名義の家の名義変更手続きは、「いつ」「どこで」行うのが良いのでしょうか。

結論から言うと、共有名義の家は、「法務局」で「離婚後」に名義変更をするのが正解です。

また、財産分与による不動産の名義変更手続きのことを「財産分与登記」といい、財産分与登記には2パターンあります。

所有権移転登記

離婚時の財産分与で、家の名義を夫婦の一方から他方に変更する場合、家の所有権が移転するので、財産分与を原因とする「所有権移転登記」を申請します。

持分移転登記

夫婦共有名義になっている家を単独名義に変える場合は、家の所有権ではなく共有持分が移転するので、「持分(全部)移転登記」となります。

例えば、夫婦共有名義を妻一人の名義に変更する場合は、夫が持分移転登記を行います。

財産分与は離婚にともなって効果が生じるものです!

離婚前に財産分与の取り決めをすることもできますが、実際に分配してしまうと、「財産分与」ではなく「贈与」とみなされ、贈与税が発生する可能性があります。

財産分与という形で名義変更をしたいなら、離婚成立後に財産分与登記を申請する必要があるのです。

家の名義変更に必要な書類や費用

家の名義変更に必要な書類や費用

ここでは、家の名義を変更するにあたって必要になってくる書類や費用について解説します。

事前にきちんと準備して家の名義変更をスムーズに行えるようにしておきましょう!

離婚時に家の名義を変更する場合は、法務局で登記申請を「書面」で行います。

登記申請をする時には、登記申請書を作成し、必要書類を添付して、不動産の所在地を管轄する法務局に提出します。

まずは、名義変更のための登記申請に必要な書類を見ていきましょう。

財産分与登記の際に必要な書類

必要書類
  • 登記事項証明書
  • 登記申請書
  • 戸籍謄本
  • 不動産を譲渡する側の印鑑証明書
  • 不動産をもらう側の住民票
  • 不動産の権利証または登記識別情報
  • 登記原因証明情報
  • 固定資産評価証明書または課税明細
それぞれ詳しく解説します!
登記事項証明書

登記事項証明書は、登記申請の際の添付書類ではありませんが、不動産の表示や権利者などを確認するために必要です。

登記事項証明書については、事前に取り寄せておきましょう。

登記申請書

登記申請書には記載のルールがあります。ルールに従って作成しましょう。

戸籍謄本

離婚日の記載があるものが必要になるので、離婚後に取得しましょう。

離婚後は夫婦が別々の戸籍になりますが、どちらか一方の戸籍謄本があれば大丈夫です。

不動産を譲渡する側の印鑑証明書

不動産を譲渡する側(所有権や持分を失う側)は印鑑証明書を提出します。

印鑑証明書は、発行から3ヵ月以内のものが必要です。

不動産をもらう側の住民票

不動産をもらう側は、住民票または戸籍の附票を提出する必要があります。

不動産の権利証または登記識別情報

不動産の権利証もしくは登記識別情報を提出します。

権利証と登記識別情報の違いですが、2005年以降に登記された不動産は、権利証の代わりに登記識別情報が発行されています。

それ以前に登記された不動産に関しては、権利証を提出します。

登記原因証明情報

この書類は、財産分与があったことを証明するのに必要になります。

一般的には、「登記原因証明情報」というタイトルで、必要事項(不動産の表示、離婚日、財産分与の内容など)を記載し、当事者が署名押印した書面を作成して提出します。

離婚協議書や財産分与協議書そのものを登記原因証明情報として提出してもかまいません。

固定資産評価証明書または課税明細

固定資産評価額が分かる書類で、登録免許税の計算に必要です。

不動産の所在地の市区町村役場で固定資産評価証明書を取得して提出するか、役所から送られてくる固定資産納税通知書に付いている課税明細をコピーして提出します。

財産分与登記の際にかかる費用

財産分与登記をする際には、以下の費用がかかります!

登録免許税

登記申請をするときには、「登録免許税」が課税されます。

財産分与を原因とする所有権移転登記にかかる登録免許税は、固定資産評価額の2%です。

通常は、税額分の収入印紙を貼り付けた「収入印紙貼付台紙」を登記申請書に添付して納税します。

書類取り寄せ実費

登記に必要な書類を取り寄せる際にも、役所に支払う手数料などの実費が発生します。

具体的には次の通りです。

  • 登記事項証明書:不動産1つにつき600円(※土地・建物の場合は3つ分必要)
  • 戸籍謄本:1通につき450円(※郵送の場合には小為替手数料100円や切手代も追加で必要)
  • 印鑑証明書・住民票・固定資産評価証明書:1通につき300円程度(※市町村によって異なる)

司法書士費用

登記手続きは司法書士に依頼することができます。

司法書士に頼んだ場合は、司法書士の報酬のほか、「交通費」「書類取り寄せ費用」などの実費も発生します。

共有名義の住宅ローンは名義変更ができない?

共有名義の住宅ローンは名義変更ができない

家以外にも共有名義になっている可能性があるとものとして『住宅ローンの名義』があります。

家の共有名義とは違い、住宅ローン名義は夫婦間の協議だけでは決められません!

なぜなら、住宅ローンの契約の中で、銀行の承諾なく担保不動産の名義を変更することを禁じている場合がほとんどだからです。

なお、住宅ローンを共有名義で借りる際、金融機関は二人の収入を合わせた支払能力を見て融資をします。

そのため、離婚したとしても、共有名義の住宅ローン名義を一つにすることは原則できません。

ただし、住宅ローンが完済されていない場合でも、住宅ローンの名義変更そのものは可能な場合もあります。

その場合は、金融機関で改めて住宅ローンの審査を受ける必要があります!

ここでは、よくある名義変更のパターンをご紹介します。

住宅ローンの組み換えを行い単独名義にする

共有名義になっていた住宅ローンを、どちらか一方のみの名義に変更できる場合もあります。

ただし、この方法をとるには、名義人となる側の収入が住宅ローンを借り入れた時に比べて大幅に増加している必要があります。

というのも、今までは二人の収入で補っていた住宅ローンの返済を一人で担うことになるからです。

住宅ローンを繰り上げ返済して単独名義にする

資金的に余裕があり、相当額の繰り上げ返済が可能であれば、その分毎月の返済額を減らすことができます。

そのため、夫婦二人の住宅ローン比率が同じである場合、残債務の半分を返済すれば、住宅ローンの名義をどちらか一方の単独名義に変更できる可能性があります。

他の人に名義変更する

あまり一般的な方法ではありませんが、「兄弟や両親に住宅ローンの返済をお願いするケース」です。

主に、住宅ローンの繰り上げ返済をしても連帯保証人から外れることができない場合にとる方法です。

分かりやすいように例を出します!
-例-

例えば、夫婦二人で50%ずつ住宅ローンを組んでいて、夫が自分の住宅ローンを全額返済しても、妻の収入だけでは残りの住宅ローンの返済が難しい場合、妻の親や兄弟が住宅ローンの名義人になるケースが該当します。

まとめ

共有名義の家は、「どちらか一方の単独名義にする場合」or 「一方から他方に名義変更する場合」のどちらであっても費用が発生します。

不備なく進める必要があるので、専門家に依頼することも検討してみてください。

また、住宅ローンが共有名義の場合は、金融機関も関係してくるので、なかなか夫婦の思惑通りにはいかないでしょう。

住宅ローンが共有名義の場合は離婚時に財産分与でなにかと揉めやすいので気をつけましょう!

なお、離婚人の家の売却については、以下の記事で詳しくまとめているので、ぜひ参考にしてみてください。

離婚して家を売る際の全知識|ローンや財産分与など全て解説します

2019年9月6日

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